火事がワンコ達に与えたもの

秋田犬の幸姫(ゆきひめ)と柴犬の福姫は、火事の後、犬と一緒に住める家を探すまでの間、
半月ほど、獣医さんのところで過ごしました。



家族と離れて暮らしたことの無かった幸姫には、大変ショックな出来事だったようです。
一緒に暮らせる仮家に移ってからも、後追いが激しく、私は買い物に出ることも、
外に新聞を取りに行くことさえ難しくなりました。
少しでも離れると、震え、泣き叫ぶのです。
遠吠えと言うようなものではありません。
悲鳴に近い、行かないで!と、泣き叫んでいる感じです。



そして、体中の毛がどんどん抜け始め、地肌が透けて見えるほどになりました。
尻尾は、以前の3分の1に細くなり、全てが細く、別の犬のように見えます。
地肌は赤く荒れた状態で、痒がっています。
もっふもふの白毛をフワフワさせて歩いていた幸姫は、見る影もありません…



私は、自分自身の立ち直りにも、まだ苦しんでいる最中でしたが、
苦しむ幸姫を癒すことで、私自身も癒されていく、そういう道順を
自然とたどっていくことになりました。