ジャルダン・ドゥ・フランス、エミリー、レイチェル・ボウズ・ライアン

“フランスの庭”という名のサーモンピンクが美しいJardins de France(ジャルダン・ドゥ・フランス1998Meilland)
個性的な花色ですが、少ない花弁でバランスが良いです。
昨年まで鉢植えで花をたくさん咲かせてくれていましたが、京成バラ園で地植えでコンパクトに美しく仕立てているのを見て、冬に地に下してみました。
お世話が少々足りなかったのか、この春のお花はいまいち。
でも、元気な一枝が、このように手毬のように可愛らしく花を咲かせてくれました。
この夏、頑張ってお世話して、秋にまた素敵なお花を見られるようにしたいと思います。
以前、京成バラ園の講習会で、一般の家庭ではバラ園の半分以下の生育と思ってください、とおっしゃっていました。
バラ園で育っているバラの株の大きさを見ると、こんな大きいのは庭には植えられないわぁ…と腰が引けてしまうことがありますが、まあ、自分で育てたらその半分くらいの大きさになると思って選べば良いわけですね。










そしてこれはマダム高木が気に入られて、ご自身の本にも紹介されているEmily(エミリー1992ER)
見つけるのが難しかったので、大事に鉢で育てていますが、小さ目の中輪で毎年花を付けてくれています。
ほんとに可愛い花姿です。
5年目になりますが、何度も弱らせてしまい、1番花が終わった後、一回り大きなものに鉢増ししましたら、2番花はこの通り、たくさん蕾を付けてくれました。
今までの鉢は小さかったのだと反省…かわいそうなことをしました。
大事にしていたつもりだけれど、小さい鉢は水切れしやすく、根もまわりやすいので、反って管理が大変です。
地に下せるものは少しづつ下して行こうと思います。








そしてそして、村田晴男さんが図鑑などで、“思わず目を見張る美しいバラ”と紹介なさっておられ、添えられた写真がそれはそれは美しいので、どうしても欲しくなり6年くらい前にネットで相原バラ園より取り寄せたRachel Bowes Lyon(レイチェル・ボウズ・ライアン1981Harkness)
これまで、思ったように花を咲かせられず、試行錯誤してきましたが、今年は良いです♪
咲き進むにつれて色が変化し、こんな素敵な房咲きになります。
3回ほど、植え場所を変えてみましたが、今度は成功!
やはり、少しスペースを取ってお日様をたっぷり当たらせてあげた方が良いようです。
もっともっと、大きくしてあげたいと思います。

江戸人展〜国立科学博物館


一昨日、江戸人展を観に、国立科学博物館へ行って参りました。
左はリーフレットの写真ですが、どうしても縦になってくれないので悪しからず。



私は歴史にもとても興味があって、こんな現代ではなく、江戸時代に生まれてきたかった〜と思っています。ですから、江戸人展は本当におもしろかったです。


身分の違いで骨格まで変わるという。
現代人でも職業柄、体の骨格は大きく違うと思いますが、食べているものが身分に応じて全く違うために、顔つきまで違ってくるそうです。
しかも、町人のほとんどの骨から、栄養失調の兆候が見られるとのこと…
脚気が流行していたということも聞きますので、よほど食事が偏っていたのでしょうか。


裕福な町家の御嬢さんの小袖の染めや、刺繍の素晴らしいことと言ったら!!
日本人の美的センスと、職人技に惚れ惚れとしました。
一般の町人の着物は、古くなったら古着屋に行き、更に古くなると、使える所で子供の着物に縫い直し、残りは端切れとして売られ、端切れは雑巾やかまどの焚き付けに使われ、燃やした灰は肥料にされたり、洗濯や洗い物の洗剤として使われたそうです。
素晴らしい循環です。


幕末、外国の人々が写実に描いた江戸の人々や、写真の数々も、大変興味深いものでした。
その時代を生きていた日本人の、生の息遣いを感じます。
エメ・アンベールというスイス人の書いた、「幕末日本図絵」をぜひとも読みたくなりました。

デュセス・ド・モンテベロ、マーメイド、マダム・ゾエトマン

毎日の庭仕事がますます忙しくなってきました。
日記も全然間に合わないまま、1番花が終わり、2番花へ突入です。


年々、株が充実するにつれて、良花をたくさん咲かせるようになってくれたDuchesse de Montebello(デュセス・ド・モンテベロ1824仏G)
これは、一季咲ですので、もう終わってしまったのですが、5/20ごろに写したものです。
図鑑で見て、京成バラ園で見て、草ぶえの丘で見て、絶対欲しい〜!と手に入れたバラです。
この柔らかなピンク♥グリーンアイもキュートです。

香りもとても良いです。
ライムグリーンの明るい葉に、優しいピンクの花が美しいです。
毎年この子が咲いてくれると、ありがとう!と声をかけずにはいられないのです…





















遅咲きのMermaid(マーメイド1918英HBc)は、沖縄のカカヤンバラの交配種ですので、暑いのが大好き!これからが真っ盛りです。
大きな蕾を房につけています。
すごい数でしょう。
真ん中は花がらです。
花はすぐに散ってしまいますので、房で豪華に咲く姿はなかなか見られませんが、次々途切れず咲いてくれます。

一重の大きな花は、近くを通るだけでほんとによい香りがします。
千葉は暖かい方ですが、この子にとっては冬の寒さがこたえるらしく、なかなか大きくなってくれません。
本来は5mにもなるほどの大型のつるバラです。












最後は、京成バラ園でひっそりと売られていた、Mme Zoetmans(マダム・ゾエトマン1830仏D)
土も固くなり、明らかに長いこと売れ残っていたその長尺苗に出会えた時、胸が躍りました。
蕾はコロコロしてかわいいです。
お花は大きくありませんが、キュートなグリーンアイで、咲き始めは、薄〜いピンクです。
咲き進むと純白に♥
細くしなやかで、とげの少ない枝は扱いやすく、丈夫で花つきもとても良いです。
これも一季咲で、もう終わってしまい、5/15頃に撮ったものです。
また来年まで、この美しい花姿にお別れです…

ビロードモウズイカ

この堂々たる威風を放つ植物は、ビロードモウズイカ(ビロード毛蕊花ゴマノハグサ科)です。[:large:left]
地中海沿岸が原産で、明治時代に園芸用、薬用に入ってきましたが、今では野生化して、開けた空き地などで全国で見ることができます。

かく言う我が家のこの子も、我が家の前の土地がまだ宅地用に造成されただけの空き地だったころ、ある年突然ニョキニョキと生えてきたものなのです。
そこで小さ目の株を掘り取って、我が家の庭にご招待してみましたが、1年で枯れてしまい、その後姿を見ることはなく、向かいの空き地にもずらっと家が建って、よそでその姿を見ることもなくなりました。
ところが、一昨年、我が家を建て替えたとき、基礎を造るときに山砂をたくさん用いりますと、乾燥した砂質の土壌が好きなビロードモウズイカが、建物の際に芽を出し始めたのです。

[:large:left]
どこから種が飛んできたのか、まるで並べて植えたように仲良く並んで大きくなりました。
彼らがここを気に入り、勝手に選んで生えてきたのです。


私の背丈160cmを優に超えています。
まるで人間がそこにいるような存在感です。
写真では花穂の先が首を傾げたようになっていますが、よく晴れた日にはピンと上を向いています。
決して先が柔らかくてしなっているわけではなく、彼らの意思を以って、首をかしげているわけです。
他にもこういう植物はありますが、何しろこの大きさのものですから、思慮深く何かを見抜く力を持つ人がそこにいる、と思わせるほどの不思議感があります。
私には、美しい袴を付け、笏を持った宮司さんのように見えます。


こんな大きさのものが3つも生えていると、道行く人もギョッとするようで、よく尋ねられます。
ビロードモウズイカという名前を教えると、「イカ!?イカなの!?」などと驚く方もいらっしゃいました…
近年、イングリッシュガーデン向けに「バーバスカム」という名で売られている植物と、基本は一緒です。
「バーバスカム」という名も、ラテン語で「ひげ」を意味するそうです。
やわらかい毛が密に生えている大きな葉っぱは、手触りがとても良くて、しかも分厚くしっかりとしています。
我が家の秋田犬の耳の触り心地と似ています。


幾重にも重なる大きな葉っぱの下には、雨が降っても水はそうそう入っていきません。
乾燥が好きなのですね〜。
私も彼らには水も肥料も与えません。
一番下の葉は、枯れて朽ちていきますが、神経質に取り除く必要もありません。
やがてダンゴムシなどの、庭のお掃除屋さんたちが、跡も残さずきれいにしてくれます。
ビロードモウズイカの葉の下の土は、いつもほんとにキレーです。
大きな葉影の下は、真夏でも虫君たちのオアシスとなることでしょう。

東京国立博物館 国宝大神社展

今日は上野の国立博物館の“国宝大神社展”に行って参りました。


日本は、現存する世界最古の国家と言います。
その歴史に、日本人として誇りを感じることのできるような展覧会でした。
日本人の自然への敬意と、自然から触発された美の感覚…
胸が一杯になりました。


千秋楽の2日前ということで、大変な混雑でしたので、残念ながらじっくりと観ることはかないませんでした。
展示物の前に列を作り、見終えた展示物の前からなかなかどいてくれない方が多いのには、ほとほと閉口しました。


私は、展覧会では、必ず図録を求めます。
会場は暗くて、ガラスケースで近づけず、目を凝らしてもよく見えないことがしばしばありますが、図録で細かい部分がはっきりわかる物もありますし、逆に、やはり実物の方が断然良いと言うものもあります。
説明も、展覧会での展示物の説明と、図録のものとでは全く同じではないので、やはりどちらも欠かせません。




学生時代は、美術館、博物館、科学館など、本当によく足を運んだものでした。
結婚してからは、夫が全くそのようなことに興味のない人なので、自然と私も足が遠のいてしまいました。


幸い、娘は私と趣向が似ており、昨年娘が大学生になったのを機に、私もそれまで趣味の時間のほとんどを費やしていたテニスをきっぱりと辞めて、娘と一緒に展覧会巡りを再開することにしたのです。


昨年10月に行ったブリヂストン美術館の“ドビュッシー〜音楽と美術〜”を皮切りに、今回に至るまで15くらいの展覧会を堪能してきました。


やはり、国立の美術館、博物館が催す展覧会は素晴らしい。
展示物もゆったりと配置され、観覧する方々も馴れている方が多いと感じます。
文化村や森美術館は、狭いところに小さな絵が所狭しと展示され、観覧者が列を作りがちになったり、角に人が溜まりがちな展示の仕方です。
不要な展示物も多く、大変疲れます。


次はサントリー美術館の“「もののあはれ」と日本の美”に行く予定です。

エリアーヌ・ジレ、オフィーリア、ザ・ピルグリム

小ぶりな株に花をたくさんつけてくれるEliane Gillet(エリアーヌ・ジレ1998GUILLOT)
蕾の一番外側の花弁は赤いのです。
今年鉢から地に下しました。
樹高はまだ50㎝弱ですが、こんなにたくさんの蕾が付いています。
上の写真から9日後です。
咲きだしました。
アップにしました。
一番外側の花弁以外は、ほぼ純白。
うっとりするような美しさです。
開き切ってもこんなに素敵♥
花持ち良く、汚くなる前にはらはらと崩れ落ちます。
地面に散らばる花弁のじゅうたんも心を打つ美しさです。





















現代のバラはこの血統に連なる子孫が大半を占めるというOphelia(オフィーリア1912英HT)
蕾姿も凛とした気品に満ちています。
開きかけの姿…歴史的な超名花の格の高さを感じます。
開き切った姿も柔らかく、清純な感じです。

























我が家のメインバラの1つThe Pilgrim(ザ・ピルグリム1991ER)
あくのない黄色が爽やかな印象です。
開きかけは芯が濃く、外に向かうほど薄くなっていきます。
この花弁の多さ!
なんと美しい姿でしょうか♪
花つきもこの通り。
枝の下から上までびっしりと花を付け、一斉に咲きますので、見ごたえ抜群です。
京成バラ園では、3m以上のポール仕立てになっていて、花が咲いた時の株姿には圧倒されるほどです。
その伸長力を見込んで、我が家でもパーゴラに誘引してみようと試みております。

シティー・オブ・ヨーク、スキャボロ・フェアー、ジャスト・ジョーイ

我が家のメインのバラ、City of York(シティ・オブ・ヨーク1945Tantau)ほぼ一季咲
蕾は卵の黄身のようなかわいい色
咲き始めは薄く黄味がかっています。
やがて純白へと変わっていくので、一本でグラデーションが楽しめます。このしべの美しさ!!
少し恥ずかしげに真ん中を隠す花弁がしとやかです。
玄関前のアーチに誘引して6,7年。
植えて2年でアーチを覆うほど樹勢は強いです。
シュートも毎年のように、しっかりしたのが出ますので更新します。
一昨年頃からは更に伸びが良くなり、2階まで誘引してみました。
大株になると花がたくさんつき、あたり一面が良い香りで包まれます。
佐倉の草ぶえの丘では、苗の販売所の小屋の屋根をシティ・オブ・ヨークが覆って、圧観です。














丈夫で、たくさん可憐な花を咲かせてくれるScarborough Fair(スキャボロ・フェアー2003ER)
イングリッシュローズは全部、新潟の「小さな森」からネットで取り寄せています。

花つきは抜群♪
透明感のあるピンクの花弁。
咲き始めはコロコロとした感じですが、開くと美しいしべをのぞかせて、何とも優雅です。
コンパクトな樹形で、場所を選びません。
花持ちは良くなく、結実しやすいですが、真夏でも、次々花を咲かせてくれる元気な子です。
挿し木で差し上げた子たちが、ご近所でもたくさん花を咲かせて、重宝がられております。








鮮やかなオレンジの大きな花が抜群の存在感の、Just Joy(ジャスト・ジョーイ1972英HT)
蕾も大きくて目を引きます。
花弁の縁のひらひらフリルにうっとり。
開くと女性の手のひら以上の大きさです。
横張に伸びる枝から伸びたステムが、花の重さでしなります。

このオレンジの美しい花の真ん中は、これまた驚きの美しさの赤いしべです。
香りも素晴らしいです♥