バラを食う虫を狩る

7月も終わりだと言うのに、梅雨に逆戻りしたような天気が続きます。


我が家のバラは、いくつか3番花が咲きだしました。本来なら、もう摘蕾するべきころかもしれませんが、このところ、雨もたっぷり降り、気温もさほど高くありませんので、元気な株は咲かせてしまいます。
ルイ14世(LouisXIV 1859 Guillot et Fils 仏 チャイナ)玄関前の鉢で、存在感のある赤い花を咲かせてくれました。



ところで、バラには様々な虫がつき、新芽や葉を食害しますが、私は化学農薬は極力、使わないことにしているので、冬が来るまで、虫取りに追われます。
毎日のように見回っていると、虫食い跡を見ただけで、どの辺に、何の虫が潜んでいるのかがわかるようになりました。
コツがわかると、虫退治も格段と簡単になります。
時には、私の庭のハンター仲間に鉢合わせて、お互いにびっくりしてしまう事もあります。
彼らは、敵のいる場所をキチンと心得ていて、上手にハンティングしているのです。




新芽や蕾を食い荒らす、ホソオビアシブトクチバは、大きくなると主に夜、活動するので、昼間どうしても見つけられなかったときは、夜に探すと、新枝の先で、バクバク新葉や蕾を食い荒らしている最中のが見つけられます。
しかし、私より先に、カナヘビ君が枝の先までよじ登って、しっかりやつらを始末していたり、この時期はまだ小さいカマキリの子供まで、新芽の先で、目を光らせてくれています。


去年まで、うちもご近所の方々と一斉消毒を、植木屋さんに頼んでやってもらっていました。
一昨年までは、草木ばかりでなく、芝の間から土の表面まで、たっぷりと念入りに毒を撒いてもらっていたのですが、去年は、私の手の届かない高い木の上だけ撒いてもらうようにし、今年は一切の毒を撒き散らすのをやめました。
これは、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を読んだのが、最初のきっかけでしたが、去年、高い木の上部にしか毒を撒かなかったにもかかわらず、ご近所の他の家の方に比べて虫の被害が大きかったという事もなかったし、先の地震による放射能汚染が気持ちを決めて、これ以上、娘や、その先の世代にどのような影響を及ぼすかわからない毒で、土や空気や水を汚すことはやめることにしました。


ですから、自力で庭を守っていく覚悟を決め、そうしているうちに、私の狩りの腕も、野生の仲間達並みに上がってきたというわけです。
マダム・フランソワーズ・ピテ(Madame Francois Pittet 1877 Lacharme 仏 Noisette)こんなに可愛いお花が咲くと言うのに、

蕾にこんなに穴をあけられると、悔しいですよね。近くの新葉の裏をめくってみると、ヤツがいます。

ホソオビアシブトクチバの2㎝に満たない幼齢幼虫






ハイジ(ミニバラ 河合伸志作出)の葉に小さな穴が!

葉の裏にはやはり、ホソオビアシブトクチバの1cmほどの幼虫





ムーンビーム(ER)の葉の上に、何かがフンをしています。


ここには、エダシャク類の2cmほどの幼虫が…

実は、ガーデニングを本格的に始める前は、芋虫毛虫の類は、世の中でゴキブリの次に苦手な生き物でした。


ところが、毎日庭仕事をしているうちに、多少の芋虫は素手でも捕まえられるようになりました。
でも、こやつらも、成長して大きくなるとやはり怖い…。
ですから、小さいうちに捕まえるのが一番です。バラの被害も少ないですしね。

葉が込んでくると、奴らは隠れやすく、こちらは見つけにくくなるので、常に葉刈りをして、風通しを良くします。
やつらは、込んで見つかりにくいところに卵を産みつけるので、虫の姿が見えなくても、株の内側の葉に少しでも穴を見つけたら、穴のあいた葉はきれいに取ってしまいます。
風通しが良くなり、次に葉を食われたときにヤツらを見つけやすくなります。

こうして、私の狩りの腕も上がり、効率良くヤツらを仕留められるようになったので、今のところ、バラのお嬢さんたちも機嫌よく花を咲かせてくれているというわけです。


また、毒をやめたおかげで、今年は、シオヤアブの頼もしい姿が頻繁に見られます。
シオヤアブの蛹が、地面から出てきて羽化したところにも遭遇しました!
写真を撮っておけば良かった〜。
カマキリの赤ちゃんも去年までに比べて順調に育っていますし、私が寝ている間も、庭に出られない日も、安心して彼らにお任せです。