招かれざる訪問者

日に日に、庭の様子が変ってゆきます。
ついこの間まで、新緑がさわやかだったのが、この頃は緑の勢いが増してきて、うっかりするとジャングルになってしまいかねない感じです。

庭の主木になっているクヌギには、クリオオアブラムシがたっぷりつきます。このアブラムシは、この名の通り、栗とか樫類とかの木にしかつかないので、私はたいして気にしていないのですが、このアブラムシの出す甘露をスズメバチが舐めに来るのです。
アブラムシと言えば、草花の新芽にたかっている、緑の小さな虫を思い浮かべますが、クリオオアブラムシはそれは立派な図体で、枝が倍の太さになるほどたっぷりとたかって、出す甘露の量も相当です。
去年の夏は何種類かのスズメバチアシナガバチが、この甘露をめぐり、バチバチと音を立てながらケンカをし、クヌギの木の下には2,3の大きなスズメバチの死骸が転がっていました。
この争いごとを、私の頭上で繰り広げてくれるので、重低音の羽音に神経をとがらせながら庭仕事をしなくてはなりません。ケンカ中は、気が立っていますから、本当に、怖いです。
アブラムシを駆除すれば、スズメバチが何匹も来るという事もなくなるのだと思い、冬場、幹に固まって越冬しているところに薬を撒いたりしましたが、焼け石に水のような感じで、春にアブラムシが減った、という気はしませんでした。
今年も、すでに1匹のスズメバチの到来を確認しました。アブラムシがたかる枝を取り払うなどしてみようと思います。

しかし、スズメバチというのは、巣の近くにうっかり近づいたり、御飯の邪魔したりしなければ、わけもなく襲ってきたりはしません。
逆に、バラの大敵、カナブンを羽交い絞めにして、かたい羽根も難なく、バリバリと噛み砕いていたのを見つけた時は、思わず「スズメバチ君、ご苦労さん」と、頼もしく思ったりしました。